第一王子に、転生令嬢のハーブティーを
9.白くて小さい花
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ロベルトの好みを知る手っ取り早い方法は、やはり好みを知る人物に調査することだろう。
「ロベルト殿下の好きな食べ物、でございますか?」
アリシアに尋ねられた副メイド長は、少し思案して答える。
「甘いものを好まれている印象がございますね。フルーツの乗ったタルトですとか」
「フルーツのタルト……」
どうやら予想していたよりも可愛らしい物を好むらしい。
甘いものを好むということで、アリシアの中でロベルトへの好感度がほんの少しだけ上昇した。
(じゃあ甘いリコリスのハーブティーでも出せば……うーん、だけど何となく面白みに欠ける気が……)
リコリスのハーブティーは甘い。砂糖を加えていないのにあそこまで甘みがあるのは本当に不思議だ。
だが、何かもっと良い案があるように思えてならない。
「参考までに、そのフルーツタルトがどんな物だったか具体的に教えて頂けませんか?」
「ええと──甘さを控えたカスタードクリームがふんだんに使ってあり、その上にマスカットや桃、リンゴが盛られていたかと」
副メイド長は記憶をたどるようにして答える。料理長へ確認を取ろうかと言われたが、これ以上彼女の仕事を邪魔するのは気が引けたので、丁重に断った。
ロベルトの好みを知る手っ取り早い方法は、やはり好みを知る人物に調査することだろう。
「ロベルト殿下の好きな食べ物、でございますか?」
アリシアに尋ねられた副メイド長は、少し思案して答える。
「甘いものを好まれている印象がございますね。フルーツの乗ったタルトですとか」
「フルーツのタルト……」
どうやら予想していたよりも可愛らしい物を好むらしい。
甘いものを好むということで、アリシアの中でロベルトへの好感度がほんの少しだけ上昇した。
(じゃあ甘いリコリスのハーブティーでも出せば……うーん、だけど何となく面白みに欠ける気が……)
リコリスのハーブティーは甘い。砂糖を加えていないのにあそこまで甘みがあるのは本当に不思議だ。
だが、何かもっと良い案があるように思えてならない。
「参考までに、そのフルーツタルトがどんな物だったか具体的に教えて頂けませんか?」
「ええと──甘さを控えたカスタードクリームがふんだんに使ってあり、その上にマスカットや桃、リンゴが盛られていたかと」
副メイド長は記憶をたどるようにして答える。料理長へ確認を取ろうかと言われたが、これ以上彼女の仕事を邪魔するのは気が引けたので、丁重に断った。