第一王子に、転生令嬢のハーブティーを
10.カフェ
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いつもより少し身軽な服に身をつつみ、よく目立つターコイズブルーの髪は無造作にひとまとめ。
平民らしく見えるよう気を使ったファッションで、アリシアは賑わう街を歩いていた。
今日は久々に、誰にも告げずにそっと屋敷から抜け出してきた。家の誰かに言えば、こんな格好で出かけることはできない。
(それにしても、あの人と会うのも久しぶりだわ。元気にしていれば良いけど)
大通りから一本外れた道の奥に、アリシアの目的地はあった。
Cafe:Lily
木製の板に、分かりづらい文字で店名だけ書かれた看板。それだけが、この場所がカフェであることを示すものだった。
そんな外観からも想像できるだろうが、特別人気のある店ではない。それでも雰囲気は落ち着いているし、紅茶やお茶菓子は一級品の味で、常連客は多い。
カフェの戸を開けると、カランカランというどこか心地よいベルの音が鳴る。
混雑する時間帯を避けたこともあり、店内に客はほとんどいなかった。
ベルの音により客が来たことに気がついた店の女性が、アリシアを見て驚いた顔をした。
「わあ!アリアさんじゃないですか」
いつもより少し身軽な服に身をつつみ、よく目立つターコイズブルーの髪は無造作にひとまとめ。
平民らしく見えるよう気を使ったファッションで、アリシアは賑わう街を歩いていた。
今日は久々に、誰にも告げずにそっと屋敷から抜け出してきた。家の誰かに言えば、こんな格好で出かけることはできない。
(それにしても、あの人と会うのも久しぶりだわ。元気にしていれば良いけど)
大通りから一本外れた道の奥に、アリシアの目的地はあった。
Cafe:Lily
木製の板に、分かりづらい文字で店名だけ書かれた看板。それだけが、この場所がカフェであることを示すものだった。
そんな外観からも想像できるだろうが、特別人気のある店ではない。それでも雰囲気は落ち着いているし、紅茶やお茶菓子は一級品の味で、常連客は多い。
カフェの戸を開けると、カランカランというどこか心地よいベルの音が鳴る。
混雑する時間帯を避けたこともあり、店内に客はほとんどいなかった。
ベルの音により客が来たことに気がついた店の女性が、アリシアを見て驚いた顔をした。
「わあ!アリアさんじゃないですか」