蘇りのウタ
「ねぇ、創吾」


あたしはそっと創吾の横に移動して、小声で話かけた。


寝転んでいた創吾はチラリとこちらをみて「なんだ?」と、小声で返して来た。


周囲に悟られたくないと言う気持ちを呼んでくれて、寝転んだままの体勢だ。


「もし、儀式を他人に見られていたとしたらどうなるの?」


その質問に、創吾の眉がピクリと動いた。


もしかしたら、あたしと同じ事を考えていたのかもしれない。


「失敗談を聞いたことがないからわからないんだ。ひと目につかない場所で行うってことは、人目についちゃいけないってことだろうけど……」


そこまで言い、創吾は口を閉じた。


余計な事を言って心配させてはいけないと思っているのかもしれない。


「あたしたち、ちゃんと森から出る事ができるのかな?」


「大丈夫だろ、道はちゃんとあるんだから」


創吾はそう言うと、あたしに背を向けて寝返りをうったのだった。
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