蘇りのウタ
「ごめん……でも、さっきからすごく辛くて、苦しくて……」


真琴はそう言いながら座り込んでしまった。


「なに? 体調でも悪いの?」


1人事情を知らないカケルがキョトンとした顔で聞いてくる。


「もう少し歩けばまた小屋があるけど、そこまで行ける?」


カケルは真琴の隣に座りこんで声をかける。


カケルという異質な存在のせいで、堂々と会話をすることもできない。


俺は大きなため息を吐き出した。


「どいてくれ。真琴は俺たちの仲間だ」


創吾が低い声でそう言った。


カケルは驚いたように創吾を見てそれから作り笑いをうかべて、真琴から離れた。
< 112 / 245 >

この作品をシェア

pagetop