蘇りのウタ
肩で呼吸を繰り返し、乃愛を見る。


乃愛はその場に崩れるようにして座り込んでしまった。


「乃愛、大丈夫か?」


「うん……」


額の汗をぬぐいながらそう返事をする乃愛。


その顔は青ざめていた。


「幸弘!」


その声に顔を上げると、創吾と真琴が走って来るのが見えた。


後ろからついて来ていた足音は、この2人のものだったのかもしれない。


俺たちにおいついた2人は乃愛の隣に座りこんだ。


俺も、同じように座り込む。


無我夢中で走って来たから、ここがどこだか完全にわからなくなってしまった。


だけど、森から出て来てアレはここにはいないようだ。
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