蘇りのウタ
「ねぇ、アレ、なんだったの?」


呼吸が整って来た真琴がそう言った。


俺と創吾は顔を見合わせる。


「みんな、アレを見たのか?」


そう聞くと、3人は同時に頷いた。


ということは、アレは俺の幻覚でも妄想でもないということだ。


現実に存在するナニかであるはずだった。


「骨……だったよね」


乃愛が体をブルリと震わせてそう言った。


「あぁ。骨だった。ボロボロの布をまとった、人間の骨」


創吾が言う。


「俺も、同じものを見た」


白い骨には土がこびりつき、衣類はボロボロの布きれになっていた。


だけどそれが、動いていたのだ。


確かに見た。


この目で見た。
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