蘇りのウタ
「なんだよアレ。幽霊か? ゾンビか?」


創吾が頭を抱えて言う。


「わからない。でも、動物でも生きた人間でもないんだろうな」


俺は左右に首を振った。


真琴の目には涙が浮かんでいる。


「ねぇ、他の人たちは?」


乃愛が来た道を振りかえってそう言った。


俺たち以外に誰かが追いかけて来る気配はない。


「はぐれたんだろうな……」


「どうする? みんなを迎えに行く?」


乃愛に聞かれて俺は左右に首を振った。


「いや、向こうにはきっとカケルがいる。大丈夫だと思う」


そう言い、俺は立ち上がった。


まだ体が震えているけれど、いつまでもここにいるわけにはいかない。


せめて小屋を見つけて中に入ったほうが安全だ。


「道はわからないけれど、小屋なら見つけられるはずだ。またあの骨人間が出てこないうちに、早く行こう」


俺はそう言い、再び歩き出したのだった。
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