蘇りのウタ
俺はきつく歯を食いしばった。


どうして香菜美なんかを呼んでしまったんだろうと、今更ながら後悔する。


「おい! 小屋が見えてきたぞ!」


創吾の声に視線を上げると、確かにさきほどと同じような小屋が見えてきていた。


「よかった」


乃愛がホッと安堵のため息と共にそう言った。


「あぁ。行こう」


香菜美への怒りを胸の奥へとしまい込んで、俺はそう言ったのだった。
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