蘇りのウタ
あたしはハッとして和希の横に立ち、小屋の後ろを確認した。


そこにいたのは、横倒しになった大きなクマだったのだ。


クマは腹部を噛み千切られ、息絶えている。


あたしは小さく悲鳴を上げて後ずさりをした。


物音の正体はこれだったんだ。


あたしと和希は逃げるようん小屋へと戻った。


クマの腹部からドロリと流れ出した内臓を思い出し、吐き気を感じる。


「2人とも、どうしたの!?」


菜摘が不安げな声をあげた。


今のあたしも和希も、きっと真っ青になっていることだろう。


和希は無言のまま、500ミリのペットボトルに半分ほど残っていた水を一気に飲み干した。


「クマの死体があった」


「クマの?」


菜摘がサッと青ざめる。


クマが殺されてしまうほどの大きな動物がいるということだ。
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