蘇りのウタ
そんなの、わからない。


小屋の中にいれば安全かどうかなんて、わからない。


困って創吾を見ると、「外よりは安全だと思う」と、返事をした。


そうだよな。


そうじゃないと困るんだ。


俺たちの逃げ道がどこにもないなんて状態になっちゃ、ダメなんだ。


自分自身にそう言い聞かせる。


「きっと大丈夫だから」


そう言い、乃愛の手をきつく握りしめたその時だった。


小屋の外から足音が聞こえてきて、俺たちはハッと目を見交わせた。


足音は1つじゃない。


複数の音がする。


それらは小屋の周りを取り囲むようにして歩いているのがわかった。
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