蘇りのウタ
生贄か……。


俺はそこまで読んで、ノートを服の下に隠した。


外に出て動物を殺すか。


でも、そんな時間はない。


外へ出た時点で攻撃されるはずだ。


だとすれば……。


俺は小屋の中を見回した。


生贄にできるのはここにいるメンバーだけだということだ。


自分の心臓がドクドクと早くなっていく。


ここにいるのは愛する人と、その人の再生を手伝ってくれた大切な仲間だ。


生贄になんて、できるハズがない。


頭では理解しているのに、目はせわしなく創吾と真琴を行き来する。


乃愛を生贄にすることはあり得ない。


だとすれば選ぶのはどちらかしかないからだ。
< 157 / 245 >

この作品をシェア

pagetop