蘇りのウタ
小屋の中は赤かった。


正確に言うと、真っ赤な血に染まっていた。


その中央には椅子に縛られた女の子がいた。


それが誰なのか、服装だけで理解できた。


「真琴……?」


菜摘が小さな声でそう言った。


そっと小屋に足を踏み入れ、真琴へと近づいていく。


これ以上近づいちゃいけない!


頭の中で警告音が鳴り響く。


だけど、菜摘を止めることができなかった。


菜摘は椅子に縛られている真琴の目の前まで移動すると、しゃがみ込んでその顔を確認したのだ。


瞬間、菜摘の悲鳴が響き渡った。
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