蘇りのウタ
乃愛の華奢で白い足首に血が伝って流れて行く。


「立てるか?」


「うん……」


手を貸してやればどうにか立てるものの、かなりつらそうだ。


このまま森の出口まで歩くのはきっと無理だろう。


「ゆっくりでいいから、進もう」


乃愛の横についてゆっくりゆっくり進み始める。


創吾がイラついているのがわかるが、乃愛をほっとくわけにはいかない。


「創吾、俺たちの事はいいから先に行ってくれ」


「そんなことできるわけないだろ」


創吾はムッとした表情でそう言った。
< 173 / 245 >

この作品をシェア

pagetop