蘇りのウタ
それは本心からの言葉だろうか?


真琴を裏切った後の俺たちには以前のような信頼関係はすでに存在していなかった。


歩いてきた道を振り返ると乃愛の血が点々とついている。


もしも骨人間たちが匂いで人間の動物の居場所を突き止める事ができるとすれば、これは危険かもしれない。


俺は立ち止まり、自分のTシャツの袖を破った。


「乃愛、これで止血しよう」


そう言うと乃愛は頷き、近くにあった岩に腰をかけた。


破いた袖を足首に巻き付け、キツク固定する。


白いTシャツにはすぐに血が滲んできた。


それでも、少しはマシになるだろう。
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