蘇りのウタ
それはまるで、永遠の別れを意味しているように感じられた。


その時だった。


創吾が聞いたと言う唸り声がどこからともなく聞こえて来たのだ。


きっと、あいつらがまた俺たちを襲うタイミングを見計らっているのだろう。


「2人とも、森の外まで逃げろ。乃愛、足が痛むだろうけれど、頑張れ」


「なに言っているの?」


乃愛が震えた。


「真琴を生贄にしようと提案したのも、創吾に汚れ役をやってもらったのも、全部俺だ。津gは俺が生贄になる。少しは時間稼ぎもできるはずだ」


そう言い、俺は乃愛の頬に触れた。


温もりのある乃愛の頬。


俺はもう1度これに触れたかったんだ。


乃愛が死んでしまったなんて、信じられなかった。


だけど、こうして俺の願いは叶ったんだ。


もう何も望むことはない。


乃愛を助けるためなら、俺は自分の命だって投げ出すことができるんだ。
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