蘇りのウタ
「悪いけど、それは無理だ」


そう言ったのは創吾だった。


「創吾……?」


「乃愛は怪我をしてる。俺たち2人で逃げるには負担になる」


それは冷たい言葉だった。


乃愛を突き放す言葉。


「ここで誰かが生贄になるのだとすれば、それは乃愛だろ?」


乃愛が身を震わせ、創吾から離れる。


創吾は本気だ。
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