蘇りのウタ
そんな幸弘を見ているといたたまれなくなり、あたしは口を挟んだ。


「乃愛、足どうしたの?」


合流した時から乃愛の足首に布が巻かれていることも、幸弘のTシャツの袖が千切られていることも気が付いていた。


「ちょっと、怪我をしちゃったの」


乃愛は青白い顔でそう言った。


白いTシャツは赤く染まっているし、出血量は多そうだ。


「大丈夫? それで歩けるの?」


「うん……」


乃愛は曖昧に頷いた。


本当は痛くて歩けないのかもしれない。
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