蘇りのウタ
蘇った直後にお荷物になるなんて、とことん邪魔な女だ。


そんな気持ちが顔に出ていたのか、幸弘が乃愛の前に立ちはだかり、あたしを睨み付けて来た。


その険しい瞳に思わず後ずさりをした。


同時に胸がひどく傷む。


幸弘はこんな女のどこを好きになったんだろう。


どうしてあたしじゃダメなんだろう。


下唇を噛みしめて嫉妬心を押し込めた。


その時だった。


不意に創吾が手を伸ばし、あたしの肩を叩いて来たのだ。


咄嗟の事でキョトンとしていると「香菜美は大丈夫だったか?」と、聞いて来た。


「え……? あたしは平気だけど?」


オロオロとしながらそう返事をすると、創吾は安心したようにほほ笑んだ。


「じゃぁ、とにかく森を出よう。それから真琴を助けるんだ」


創吾はそう言って、歩き始めたのだった。
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