蘇りのウタ
こんな事態になってしまったのも、俺の我儘のせいだ。


「幸弘は優しいね」


乃愛がそう言ってほほ笑む。


その笑顔がなぜか消えてしまいそうな気がして、俺は乃愛の手を強く掴んだ。


その時だった。


ガサガサと森の奥から物音が聞こえて来て、俺たちは警戒して足を止めた。


動物か、それとも……。


途端に、前を歩く菜摘と俺たちの間に骨人間が飛び出して来た。


「こっちだ!」


俺は乃愛を引っ張り、森の中へと身を隠した。


菜摘は後方から出てきた骨人間に反応をするのが送れた。
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