蘇りのウタ
次は誰が狙われる番なんだろう?


そう思うと、身震いをした。


「もう少し先にまた小屋があるんだ」


カケルの言葉でハッと我に返った。


道は先ほどよりも広くなり、視界が開けてきている。


けれど小屋があるということはまだ森の深い場所なんだろう。


「そこで休憩しよう」


幸弘がすぐにそう言った。


さっきから乃愛をおんぶして歩いているから、さすがに疲れているのだろう。


「幸弘、やっぱりあたしいいよ」


幸弘におんぶされている乃愛がそう言った。


「いいって何が?」
< 194 / 245 >

この作品をシェア

pagetop