蘇りのウタ
☆☆☆

それから数分後、カケルの言っていた小屋に到着していた。


周囲に骨人間の姿はなく、ひとまず安心して休憩することができそうだ。


小屋の中には大きなテーブルと椅子が6脚あった。


「乃愛、傷口を見せてみろ」


幸弘が乃愛を椅子に座らせ、足首を確認している。


白いTシャツは真っ赤に染まっていて、元の色を残している部分はなかった。


怪我をした後無理をして歩いて来たから血が止まらないのだ。


「カケル、止血するような道具はないか?」


幸弘の言葉にカケルは困ったように眉を寄せて、戸棚へと向かった。


「包帯や消毒液はあるけれど、その出血量じゃ役に立たないかもしれない」


カケルの言葉に、幸弘は自分のTシャツを抜いだ。


筋肉のついた肉体に思わずドキッとしてしまう。


こんな体に抱きしめられることができる乃愛を、心底羨ましいと感じた。
< 196 / 245 >

この作品をシェア

pagetop