蘇りのウタ
「この森にも儀式にも詳しい。だけどそれは管理者の息子だからってワケじゃないんじゃないか?」


幸弘は乃愛の手当てをしながらそう言った。


「待って、それどういう意味だ?」


反応したのは和希だった。


あたしも、突然の幸弘の言葉に戸惑っている。


「あの小屋で会った時から違和感があったんだ。1人でキノコ狩りなんておかしい。それでこんなに森の深くまで来ることも、おかしい」


「俺が管理者の息子じゃないとしたら、なんだと思ってるんだ?」


カケルの言葉に幸弘はみんなの顔を見回した。


「正しいかどうかわからないけど……お前はこの森で蘇った人間なんじゃなか?」
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