蘇りのウタ
幸弘の言葉に小屋の中の時間が停止した。


みんなカケルを見ている。


カケルは唖然として口をポカンと開けていた。


「なにを根拠にそんな事を言ってる?」


創吾のその言葉に、ようやく時間が戻って来た。


「例えば、この森には儀式を行う場所がもう一カ所あって、そこで蘇った人間かもしれない」


幸弘は言葉に詰まることなくそう言った。


幸弘の中でずっと考えていた事なのかもしれない。


「なに言ってんだよ。儀式の場所は1つだけだ」


カケルがようやくそう言った。


だけどその声はひどく震えていて、幸弘の言葉を肯定しているようにも聞こえて来る。


「確かに、この中でカケルの存在だけ異質だよな」


そう言ったのは和希だった。


和希はすでにカケルを敵視している。


「おい、なんだよみんな……」
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