蘇りのウタ
「偶然同じように儀式が行われていて、そっち側で失敗が起こった。そう考えれば辻褄が合うんだよ」


幸弘が畳み掛けるようにそう言った。


その言葉にドキッとする。


儀式の失敗は自分たちのせいではないと、そう主張しているのだ。


でも……。


あたしは握り拳を作った。


儀式に失敗し、乃愛が蘇らなければいいと思っていたのは、このあたしだ。


いつバレるかと冷や冷やし、全身に汗が噴き出す。


「なに言ってんだよ。儀式をする場所は１つだけだ！　俺は蘇った者なんかじゃない！」


カケルが叫びに近い声を上げる。


けれど、元々仲間ではなかったカケルの言葉は誰の心を動かすこともできなかった。


「みんな、聞いてくれ！」


幸弘は立ち上がると持っていたノートを見せて来た。


Ｔシャツを脱いだ時にはもう手に持っていた気がする。


「このノートを偶然小屋の中で見つけた。ここには儀式の事が詳しく書かれているんだ。成句した時はもちろん、失敗した時の事も、骨人間についても書かれていた」

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