蘇りのウタ
それなら、この流れを壊す必要はない。


心を氷のようにしてあたしはカケルを見つめた。


「どっちにしても、生贄は必要なんだ」


創吾が言い、小屋の中に沈黙が下りた。


みんな考えていることは同じだ。


カケルに犠牲になってもらい、その間に助かること。


最低だと思うけれど、命がかかってるのだ。


そのくらい冷酷にならなければ生き残る事はできない。


「俺は本当に違うんだ!」


青ざめたカケルが叫ぶ。


しかし、その声に耳を貸す仲間はどこにもいなかったのだった。
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