蘇りのウタ
「……私の血と 命の炎で 蘇るがいい 愛し人よ この地に眠る 複数の魂よ 今すぐに 蘇るがいい」


あたしが口ずさんだ歌詞に3人が息を飲むのがわかった。


あたしは顔を上げることができなかった。


あたしは蘇りのウタを歌った。


それはここで眠っている魂すべてを蘇らせるウタだった。


たった1人が歌詞を変えたところで効果が出るかどうかなんてわからなかった。


けれど、この地に長い間縛られ続けた魂は、あたしの声に反応し、目を覚ましたのだ。


「なんで、そんなことを……?」


乃愛が震える声でそう聞いて来た。


泣いているのかもしれない。


「失敗すればいいと思った。乃愛の儀式なんて、失敗すればいいと思った!!」


あたしは拳を握りしめ、顔を上げ、乃愛を睨み詰めて叫んだ。


思っていた通り、乃愛は泣いていた。


だけどあたしも泣いていた。


同じように幸弘の事が好きなだけだった。
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