蘇りのウタ
乃愛がいるからと自分の気持ちに蓋をしてきた。


それでも好きで、自分じゃどうしようもなくて、乃愛が死んだと聞いた時には悲しい気持ちと少しだけ嬉しい気持ちがあったんだ。


友人が死んだ事を喜ぶ自分に幻滅もした。


時間が経てばきっと変われる。


あたしも幸弘も乃愛の事を忘れて前をむくことができる。


そう、思ったのに……!!


「なんで蘇りの儀式なんてやろうって言ったの!?」


死人を蘇らせるなんて、神様が許すはずがない。


本当に乃愛が蘇ってしまったら、またあたしは乃愛の後ろに隠れて生きていく事になる。


色んな考えたグチャグチャに混ざり合って、あたしは発狂していた。


「ああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


ただ好きなだけだった。


ただそれだけだったのに。


あたしが、悪いの……?
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