蘇りのウタ
「生贄は誰だ?」


静かな声で創吾が言った。


周囲に沈黙が下りて来る。


カケルが逃げ出そうとするのを、俺は止めた。


途端に、森の中から唸り声が聞こえ始めた。


間違いない。


この声は骨人間たちのものだ。


カケルがその声を聞いてキュッと唇を結んだ。


その顔は何かを決意しているようにも見える。


俺は創吾と目を見交わせて、小さく頷きあった。


俺よりも、創吾の方が一歩早くカケルへ向けて踏み出していた。


俺はカケルの腕を押さえ、組み敷いた。


「やめろ!!」


カケルがもがいて逃れようとする中、創吾が小屋から持ってきていたロープを取り出してカケルの体を拘束した。


手足さえ縛ってしまえば、ここから逃げる事はできない。


叫ぶカケルをその場に残して、俺たちは走り出したのだった。
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