蘇りのウタ
☆☆☆
幸弘が乃愛をおんぶしながら歩いている。
あたしと創吾はその後をついて歩いていた。
森の出口もわからなければ、道もどこにあるのかわからない。
状況は骨人間に襲われる時と変わらず最悪なままだった。
けれど、みんなと一緒にいる時の空気は軽かった。
1人だけ異質だったカケルがいなくなったからか、いつもの雰囲気に戻っていた。
仲間がどんどんいなくなってしまったのに、そこ感覚が薄れていることに気が付いた。
「香菜美、やっぱり体調でも悪いんじゃないか?」
創吾にそう声をかけられたので、あたしは無理やり笑顔を浮かべた。
「大丈夫だよ。ただ、色々考えちゃって……みんなのこと」
「あぁ……。森から出たら早く助けを呼ばないとな」
「それはそうなんだけど……」
あたしはどう説明すればいいかわからなくて口ごもってしまった。
「とにかく、今は安全に森を出る事が先決だ。悲しい気持ちはわかるけれど、俺たちはまだ安全とは言い切れない」
創吾の険しい口調にハッと我に返る。
「俺の勘だけど、カケルはきっと蘇った者じゃない。カケルは生贄になるために、わざと戻って来たんだ」
小さな声でそう言った創吾に、あたしは驚いて目を見開いた。
幸弘が乃愛をおんぶしながら歩いている。
あたしと創吾はその後をついて歩いていた。
森の出口もわからなければ、道もどこにあるのかわからない。
状況は骨人間に襲われる時と変わらず最悪なままだった。
けれど、みんなと一緒にいる時の空気は軽かった。
1人だけ異質だったカケルがいなくなったからか、いつもの雰囲気に戻っていた。
仲間がどんどんいなくなってしまったのに、そこ感覚が薄れていることに気が付いた。
「香菜美、やっぱり体調でも悪いんじゃないか?」
創吾にそう声をかけられたので、あたしは無理やり笑顔を浮かべた。
「大丈夫だよ。ただ、色々考えちゃって……みんなのこと」
「あぁ……。森から出たら早く助けを呼ばないとな」
「それはそうなんだけど……」
あたしはどう説明すればいいかわからなくて口ごもってしまった。
「とにかく、今は安全に森を出る事が先決だ。悲しい気持ちはわかるけれど、俺たちはまだ安全とは言い切れない」
創吾の険しい口調にハッと我に返る。
「俺の勘だけど、カケルはきっと蘇った者じゃない。カケルは生贄になるために、わざと戻って来たんだ」
小さな声でそう言った創吾に、あたしは驚いて目を見開いた。