蘇りのウタ
創吾は香菜美が2度目の死を迎えてから元気をなくしてしまった。


俺が乃愛を失ったらと思うと、その気持ちもよくわかった。


「幸弘、あのノートはまだ持ってるの?」


乃愛に聞かれて、俺は一瞬なんのことだかわからずに首を傾げた。


でも、すぐに思い当たった。


乃愛がこんなに真剣な表情で聞いてくるノートなんて、小屋で見つけたあの古いノートのことしかない。


「いや、もう持ってないよ。あれは必要な人が見つけるべきだから、森の小屋に返しておいた」


「そっか……」


「どうかしたのか?」


「うん……死んじゃったみんなの事なんだけどさ、全員を蘇らせることができたらなって、時々思うの」


乃愛の言葉に俺は頷いた。


それは俺自身も考えたことだった。
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