蘇りのウタ
☆☆☆

乃愛は小柄だが、魂が抜けてしまった体は想像以上に重たく感じられた。


シーツを自分の体の前できつく結び、乃愛の体が落ちないように固定する。


赤ちゃんのおんぶ紐の要領でシーツを使えば少しは楽になった。


男子たちで交互に乃愛の体をおんぶして運ぶ。


和希は恐る恐るという様子だったが、創吾の方はためらいがなかった。


それはまるで自分自身を見ているようで、少しだけ胸の中に違和感を覚えた。


創吾が乃愛の事を好きだなんて話は聞いたことがなかった。


いつも一緒にいる俺と乃愛を見ても、創吾は顔色を変えたこともない。
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