蘇りのウタ
蘇りの儀式は終わった。


乃愛が、蘇る!!


立ち上がると、メマイを感じた。


さすがに、一晩中同じ体勢で座ったままだったから、体は言う事を聞いてくれない。


それでもどうにか足を踏ん張って体を支えた。


一歩一歩乃愛に近づいてく。


儀式が成功していれば、乃愛は目を覚ますはずだ。


「乃愛……?」


乃愛の横に膝をつき、その名前を呼ぶ。


乃愛の顔は青白くて、昨日みたのと変わりはなかった。


「乃愛、俺だよ。幸弘だよ」


そう言って俺は乃愛の手を握りしめた。


乃愛の冷たい体温に、ドキリとする。
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