蘇りのウタ
涙が頬を流れて行った。


乃愛は目を開けない。


静かな広間に炎の音だけが聞こえて来る。


「乃愛……頼むよ乃愛……こんなんじゃ俺、どうしたらいいかわからない……」


我ながら情けないと思う。


涙は止まらないし、死んでしまった恋人にすがりついて答えを求めるなんて、最低だと思う。
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