蘇りのウタ
俺はその一枚を手に取り、ポケットに入れた。


これはちょっとした記念だ。


乃愛が蘇った記念。


俺は乃愛と共に後部座席に落ち着いた。


話したいことは沢山ある。


昨日まで普通に会話をしていたのに、一晩でこんなにも話したい事が増えるなんて思ってもいなかった。


帰りながらゆっくり話をしよう。


そう思っていたけれど、車がなかなか発進しない。


「創吾、どうしたの?」


香菜美が不思議そうな声を上げた。


「エンジンがかからない」


創吾が眉間にシワを寄せて振り向いた。


「冗談でしょ?」


菜摘が焦った声を出す。


創吾は何度もエンジンをかけようとしているが、全くかかる気配がない。
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