蘇りのウタ
エンジンがかからないのも、電波が通じないのも、全部儀式の失敗のせいだと思っているのだろうか。


俺は呆れた創吾を見た。


「そんな無駄な心配してないで、早く行くぞ」


足を速めようとする俺を、創吾が止めた。


「待て」


「なんだよ、もう」


イライラしながらそう聞くと、創吾は「ダメだ。この先には進めない」と、呟くような声で言った。


またそれほど歩いていないのに、今度はなんだよ。


「この先の森を、俺は知らない」


震える声で言う創吾。


俺は眉間にシワを寄せた。


「なんだって?」


「ここは歩いて来た森じゃない。この先を歩いて行っても、きっと広間には辿りつけない」


「何言い出すんだよ!」


やっとここまで来たのに。


あとは日常に戻るだけなのに!
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