蘇りのウタ
ここまで来て創吾が怖気づいてしまうなんて思わなかった。


俺は大きなため息を吐き出して歩き出した。


創吾を置いて行くしかない。


「待て。やめとけよ!」


創吾が声を荒げてそう言い、俺の腕を痛いほどに掴んできた。


思わず振り払おうとするけれど、創吾の目一杯の力に負けてしまう。


俺は驚いて創吾を見た。


創吾は真剣な目をしている。


俺は進む先の森を見た。


どこにでもある、何の変哲もない森が広がっているだけだ。


創吾の額に汗が滲み、頬を流れて落ちて行った。


「……わかった。戻ろう」


俺はそう言い、体の向きを変えたのだった。
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