向日葵に結ばれて
夢…ではないよね。

妄想…でもないよね。

私は好きな人と結ばれた。
たった一度だけ。
それでもいい。
ずっと想い続けた人だから。

隼人はどういう気持ちで私を抱いたんだろう。
幼なじみ以上には想ってないはずなのに。

うーん。
あれこれ考えても、答えは出てる。

隼人との未来はない。
つき合ったり、その先のことは望んではいけない。

隼人は大企業の御曹司。
将来は南条グループのトップに立つ人。
隼人の横には、それ相応に似合う人が立つに違いない。

それがわかってたから、私はこの気持ちを隠していたのに。

きっとこれをきっかけに諦めろってことなんだよね。

隼人は大事な幼なじみで、仕事で関わる人。
それでいい。


隼人の淹れてくれたコーヒーを飲みながら、他愛もない話をしていたら、眠気に襲われた。


「花穂、おやすみ」

隼人の優しい声を聞いて、眠りに落ちた。




< 10 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop