向日葵に結ばれて
でも、この人には多大な迷惑をかけてしまった。
私ひとりで戻れば良かったのに。
彼を巻き込んでしまった。


「隼人、ごめんね」


「バーカ。謝るな。お前が雨降らせたワケじゃないだろう」

隼人は濡れた髪をガシガシとタオルで拭いている。
短髪だから、あっという間に乾きそう。


「私が忘れ物なんてしなければ、こんなことにならなかったのに。ホントごめん」

私は俯いた。
本当に申し訳なくて。

隼人は私と違って本当に忙しい身。
確か明日は出張があるって言ってた。


「お前のドジさ加減なんて、昔から知ってる。今日はお互いこの後仕事ないんだし、休みをもらえたと思って、オープン前のホテルを楽しめばいいんだよ」

隼人はケラケラ笑ってる。


「ありがと」

そう言ってもらえると助かる。

昔から隼人には迷惑ばっかりかけてきた。
それでもいつも助けてくれる。
隼人は優しい。
私はいつも甘えてばかり。



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