向日葵に結ばれて
相変わらず窓の外は大嵐。
窓ガラスに雨が打ち付けて、なかなか止みそうにない。

すると突然電気が消えた。

嘘!
雷でも落ちた?
そんな音しなかったけど。

どうしよう。
暗いのは苦手…っていうより、怖い!


昔、小さい頃に、暗い部屋に閉じ込められた。
隼人と間違えられ、誘拐されてしまった。
ショートカットの髪型のせいで、女の子と気がつかなかったらしい。
なんとも間抜けな誘拐犯だけど。

それが今でも私のトラウマになっている。
暗いのがとにかく怖い。
髪型もずっと腰まであるロングヘアーを貫いてる。


「こ、怖い!すぐ電気つく!?どうしよう!!」

昔のことが甦り、手が震えてくる。


「ブレーカー落ちたかな?ちょっと見てくる」

ダメダメ!!
ひとりにしないで!!

追いすがるように隼人の腕を掴んだ。
隼人も昔のことは知ってる。
私の異変に気づいた隼人は、ギュッと抱きしめてくれた。


「大丈夫。俺がついてる。花穂はひとりじゃない」

大きな手で、ゆっくり背中を撫でてくれる。
それがとても心地よくて安心する。

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