身代わりの姫


馬車は王宮の門を入り、20人ほどの人が待っている国賓館の前で止まった。


先に着いていたコゼットの顔がみえるが、後は知らない者ばかりだった。



先に降りたジルベールが手を貸してくれて、コゼットと知らない女性がドレスの裾を持ちながら馬車を降り、ジルベールの横に立った。


「式は無事に終わった。
これが妻となったリリアだ。よろしく頼む」


ジルベールが私を見て言ったので、笑顔で一礼すると拍手で迎えられた。


神殿で会った、ガストンが前に来て言った。

「王太子殿下、おかえりなさい。王太子妃殿下、ようこそ。

末永い幸せと、両国の発展を祈っております」


一礼した私の肩をジルベールが抱き、国賓館の中へ入った。








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