身代わりの姫


「こちらの部屋をお使いください」


ガストンに言われ、ジルベールとは違う部屋へ入った。

コゼットが後から入り、部屋に二人になった。


「王子と同じ部屋かと思ってました」



「とりあえずお召し替えを。夕食を取ったあとは王子と同じ部屋になります。

私はリリア様が婚約を発表されてから、国賓館で用意をして、バルテモン国の方たちと打ち合わせもしておりました。


皆さん、気さくな方ばかりで、驚きました。


リリア様の個人のお荷物はこのカバンだけですね?

こちらから持っていくものはほとんどなく、衣服もバルテモン国で用意をしてもらえるとのことで、持参金とこの荷物だけなのです。


他には、布などは婚礼の品として、たくさん送られるそうですわ。


こちらでドレスを脱いで入浴をお済ませください。


着替えは、王子が見立てたドレスということです」



テキパキと荷物をまとめて、着替えを手伝ってくれるコゼットをみて、色々と考えてくれていると、ちょっと笑った。




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