身代わりの姫
陽射しを感じて、目を覚ました。
「おはよう」
その声に、パチっと目を開いた。
「あ……おはようございます」
「サリ………」
頬にキスをされて、布団を鼻まで上げた。
「よく眠れたか?」
フフっと笑いながらジルが言った。
「誰かと一緒に寝るのは初めてでしたけど、意外にもよく眠れて、驚いています」
「………それは、良かった」
ジルが起き上がったので、続いて起き上がる。
居間の方に行くと、ジルが呼び鈴を押した。
しばらくするとドアがノックされて、3人の侍女が入ってきた。
ワゴンから、テーブルに置かれた朝食。
着替えを置いて、今日の予定を言う侍女。
昼間に多くの荷物を船に送り、夜はシュリベルト国王一家と会食、ということだった。
明日は昼ごろ出航し、夕方前に城に入るとのことだった。