身代わりの姫
日中は、特にする事もなく、養成所でしていた腹筋等のトレーニングをしたり、ジルが置いていった剣を振って時間を潰した。
翌日、ジルの仲が良い、従兄弟やはとこと食事会だということで、ジルと出席した。
ジルにとっては、友達以上の身内という仲間なのだろう。
城の会食場で始まり、気さくに声をかけてくる人もいれば、ジルにしか話さない人もいる。
ジルが離れた時、はとこというフルーが来た。
「ご結婚おめでとうございます。
何人かでこのあと飲みに行くのよ、もちろん遠慮してくれるわよね?正妃さま?」
グッと言葉に、詰まった。
側室を、狙っている?
「分かりました」
「ジルベールが、飲み潰れて帰らなくても、おこらないでよね」
サッと後ろを向いて、去って行った。
何も言わないわ、政略結婚ですもの。
胸が一瞬苦しくなったのは、何故なのか、分からなかった。