身代わりの姫
3
翌日
夕方、バルテモン国での結婚式のドレスを着て、広間に立った。
拍手で各国の王太子とその妻、20人ほどに迎えられ、穏やかな食事会となった。
食事も一通り終わる頃、ジルが立ち上がると言った。
「リリアとはシュリベルト国でも式を挙げた。
その時のドレスに着替えさせたい、しばらくお待ち下さい」
おぉ、と言う声と拍手に送られてジルと部屋を出て、慌ただしく着替えた。
広間に戻るとテーブルが変わり、立食パーティーになっていて、驚いた。
それでも、ドレスの裾が長くて、あまり動けない私にジルが飲み物を、取ってくれたが、友人の王太子ばかりの中で、話が弾んでいるようだった。
ため息をついて見ていると
「ご結婚おめでとうございます」
ビチリア国の王太子がグラスを持って来た。
「ありがとうございます」
グラスを近付けて、乾杯をして、グラスを口に着けた。
「あの王太子の様子じゃ、寂しくないですか?」
気分を、言い当てられた。
「………快闊な人なので」
笑顔でそう言うと、おめでとうございます、と会話に入って来たのは、ダリアン王太子だった。
「おや、ビチリア国は先日、大波が大変だったとか、大丈夫ですか?」
「なんとか。お陰様で復興しつつあります」
そのままビチリア国の王太子は去って行った。