身代わりの姫



翌日


夕方、バルテモン国での結婚式のドレスを着て、広間に立った。 


拍手で各国の王太子とその妻、20人ほどに迎えられ、穏やかな食事会となった。


食事も一通り終わる頃、ジルが立ち上がると言った。


「リリアとはシュリベルト国でも式を挙げた。

その時のドレスに着替えさせたい、しばらくお待ち下さい」


おぉ、と言う声と拍手に送られてジルと部屋を出て、慌ただしく着替えた。


広間に戻るとテーブルが変わり、立食パーティーになっていて、驚いた。


それでも、ドレスの裾が長くて、あまり動けない私にジルが飲み物を、取ってくれたが、友人の王太子ばかりの中で、話が弾んでいるようだった。


ため息をついて見ていると

「ご結婚おめでとうございます」


ビチリア国の王太子がグラスを持って来た。


「ありがとうございます」


グラスを近付けて、乾杯をして、グラスを口に着けた。

 
「あの王太子の様子じゃ、寂しくないですか?」

気分を、言い当てられた。


「………快闊な人なので」

笑顔でそう言うと、おめでとうございます、と会話に入って来たのは、ダリアン王太子だった。



「おや、ビチリア国は先日、大波が大変だったとか、大丈夫ですか?」


「なんとか。お陰様で復興しつつあります」


そのままビチリア国の王太子は去って行った。




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