身代わりの姫
夜、夕食を済ませて帰ってきたジルが、
「今日は、大臣と会食だった。
母上に会ったのか?」
と言った。
「ええ………会ったと言うか、お茶をご馳走になりました」
「そうか。何か言われたか?」
「いえ、楽しい時間を過しただけです。
王妃とジルは似てませんのね、顔だけでなく、性格も」
「ハハハ、でも、髪の質だけは似てる」
「まあ、そうでしたの?」
「まあ、分からんだろうな。
明日はゆっくりできる、たまには外に出てみるか?」
「はい」
夜も更け、ベッドに入るとスッと眠りに落ちていく。
暖かい………
夜中に目が覚めると、ジルに抱きしめられていた。
心地良いその胸に、再び眠りに落ちた。