身代わりの姫


「王太子!」

呼ばれると、何だ?、とその兵士をみた。


「急ですが、来客です」

「誰だ?」

「フルー様が………」


嫌な気持ちがぶり返す。

そして今日、ゆっくりできる日にわざわざ来たのは、嫌がらせだと感じる。


胸の奥が、じんわりと痛む。


はぁ、と大きくため息をついて、私を見た。



「ちょっと待ってろ」


そのまま城へ歩いて行った。


なぜか、イライラする。


「待ってろって、すぐに終わると思う?」

ボンもガストンも苦笑いした。


「あの、東屋に行きましょうか?
とりあえず、待ってみましょう」


ガストンの提案に、城の裏にある、ここからすぐ近くの東屋に3人で歩き出した。



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