身代わりの姫
3
シリルが、王宮の王太子護衛隊に入隊した。
それから、1週間。
レオに呼ばれて、レオの書斎にいた。
「おはよう、アリア」
「おはよう御座います」
何かの任務が決まったのだろうか。
間もなく18歳になる。
成年となるのだ。
「まあ、座りなさい」
促されて、ソファーに座った。
「よく、聞きなさい。
お前の任務が決まった」
少し、息を飲んだが何も言わず、話の続きを待ってレオの顔を見ていた。
「お前は………リリア様の、影武者になる」
目を見開いた。
「影武者の存在は隠される。
それについて、王からも話がある。
夜、私と王宮へ行くよ。正装に近い服で、ベールを着けなさい」
「………私が、リリア様の、影武者………?」
「決まったことだ。内密に………
アリア、自由は、無くなることもあるだろう」
少し目を伏せて、シリルを思い出した。
息を吐いて顔を上げて、レオを見た。
「分かりました」
それだけを言って、部屋へ戻った。