身代わりの姫


寝室を入ってすぐ、ジルがベッドルームに行き、大きな薔薇の花束を持って出てきた。


そして、私の前で、片膝を着いた。


「サリ、俺はこれからもお前を愛する。

俺の………花嫁になってくれませんか?」


え?と、心臓がドキドキするのが分かった。




「………ええ………喜んで………」



花束を受け取った。



「サリ、ありがとう」


「いえ……驚きました」


立ち上がったジルが、そっと額にキスをした。


「これを……」


右手の薬指に、金のリングに赤い石が入った指輪をはめてくれた。


「石の意味とか、あまり分からないが、似合う物を作った……」


「ありがとう……」


ジルの首に腕を回して抱きついた。


そのまま、抱きかかえられて、ベッドに座らされた。







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