身代わりの姫
第6章
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それから1年が過ぎた。
兄であるダリアン王太子の婚礼のため、久しぶりに故郷のシュリベルト国に帰ることが決まった。
もちろんジルベール王太子も一緒である。
式の3日前にシュリベルトに入り、ジルベールはそこでも視察という仕事が入っている。
その日なら、抜け出せるかもしれない。
いえ……堂々と王宮に遊びに行けばいい。
手配できるかしら?
まずは、ジルに聞いてみよう。