身代わりの姫
後宮に戻ると王も王太子もいた。
「元気そうだな、アリア。よく来たな」
「アリア、結婚式には出るんだろ?」
「ええ………おめでとうございます。
王も王太子も、いらしていたのですか?
忙しいのでは?」
「まあ、忙しいよ。でも、妹が来てるならって、ちょっと抜けてきたんだよ」
明るい王太子は結婚が決まって、表情も輝いていた。
「アリア、本当に幸せそうだな、良かった。
バルテモン国からもたくさんの祝の品が届いた。
礼を伝えてくれ」
たった一杯のお茶の時間だったが、嬉しい再会になった。